DAWとかVSTとか

ずっと模索していたのです。同時に複数のCubaseを立ち上げる方法を。
そしてできればWindowsアプリからも音を出したい。

routing-example

ASIOマルチクライアント

最初に入手したRoland Quad Capture UA-55は、ASIOが完全に排他で、Cubase起動中はWindowsアプリの音さえ出なくなる、というものでした。

月日は流れ、UA-55の2つしかないアナログ入力では物足りなくなって、ついセールで見かけたSteinberg UR-44を買ってしまいました。少しはましになって、ASIOは排他ですが、他のWindowsアプリの音は出せました。
さらに、ASIO4ALLをかぶせてWDMドライバへ誘導し、もう一つCubaseを立ち上げることができました。かなりトリッキーでしたが。

Cubaseはアイディアを集積・利用するのに向かない?

さて、そもそもなんでCubaseを複数立ち上げたかったかというと、Cubaseが複数のプロジェクトを同時にアクティブにできないことが原因なのです。プロジェクトのロードには、とても時間がかかります。場合によっては数十GBもの音源を読み込む必要があったりします。ワープロの文書を開くのとはわけが違います。そのため、曲を頻繁に行ったり来たりすることはおろか、ふと浮かんだアイディアをまとめたアイディアをためこむプロジェクトを作ることも現実的ではありませんでした。いまだに、みんなどうしているのか不思議でしょうがないんですが。

それで、Cubaseのインスタンスを複数同時に走らせることができれば、(多分)Cubase間でコピペしてアイディアをため込むことができるだろう、と思ったわけです。
試してみると、同じバージョンのCubaseを複数走らせることはできませんでしたが、古いバージョンのCubaseを走らせることは可能でした。正直、8.0固有のなくてはならない機能というのは個人的にはないので、8.0と7.5を同時に走らせることができればOK。

ただ、CubaseはASIOを排他でオープンするため、そのままでは二つ目のインスタンスから音が出ない。なので何らかの工夫する必要があったというわけです。

UR-44とASIO4ALLでこの目的は達成することはできましたが、必ず先に8.0を立ち上げる必要があるとか、7.5を立ち上げるとき毎回ワーニングが出て、毎回デバイスを設定し直さなければならない、などトリッキーでした。他のWindowsアプリからの音は常時全く出なくなるし、少々不便でもありました。
RMEのドライバは素晴らしく相当ルーティングが柔軟らしいし、複数の排他ASIOアプリを動かすこともできるそうなので、またぞろRME行っちゃう?みたいなことを考えていました。

Voicemeeter Banana

そんな折、VB-AudioVoiceMeeterの話を聞きつけました。

VoiceMeeterは、ASIOとかWDMなどの上にかぶさる形の、ルーティングやもろもろ便利な仮想オーディオミキサー、ということです。通常排他になってしまうASIOは、VoiceMeeterをかますことによって同時に4つのクライアントから使えます。
しかも、かなり自由なルーティングができるとか。
フリーで制限なしの試用ができるドネーションウェアで、Windows 32/64 XP/Vista/7/8/8.1をサポートしています。ベーシックなVoicemeeterと、より高機能のVoicemeeter Bananaの二つのバージョンがあります。

Voicemeeter無印の方が設定が簡単なようですが、UR-44の場合、同時に録音できる入力が6chあるので、いきなりBananaの方に行くのがいいかと。

おそらくデバイス独自の機能、例えばCubaseとの統合はおそらく使えなくなるでしょう。ただ自分は、前にも書いた通り、UR-44のCubaseとの統合をしていないので、特に不便もないと思われます。

用意されているポートの一覧はこんな感じ。

inout-ports

さて、備忘録もかねて設定を書いておくことにします。

内部バスの構成

まず、理解しなければならなかったのは、入力や内部バスの話でした。物理入力がステレオ3系統、出力はA1〜A3まで3系統。仮想入出力が2系統。4クライアントまで同時使用できるそうです。
これらは、A系3本、B系2本のバスで内部的に接続されます。B系統は、仮想バスとなっています。

internal-diagram

ハードウェアからの入力は、各チャンネル毎のフェーダーやEQなどを通った後、どれかのバスを通り、出力ポートへと向かいます。普通に使うと、オーディオインタフェースへの出力はA1、DAWへ接続されるバスは仮想バスのB1(またはB2)です。

下手に扱うと、簡単にループができてしまい、発振して大変なことになるので要注意。

daw-diagram

ハードウェアからの入力は最大mono x 6ch扱えますが、DAWから見たハードウェアからの入力は、バスにまとめられたものになります。これではマルチトラックの録音ができません。

この点にひっかかって実用をあきらめかけていたのですが、VoiceMeeterにはサラウンドの8ch分をモノラルx8として使う、Compositeというモードが用意されていました。DAWと接続する仮想バスをCompositeに指定すると、それぞれのハードウェアからの入力を独立して扱えることがわかりました。

ちなみに、当初はCompositeモードの存在を知らずに、Insertを使っていました。こちらでもマルチトラック録音はできるのですが、最大22chのポートがDAWに対して開かれることになります。ちょっと無駄だし、不必要にわかりにくいかも。Compositeの方が簡単だし、わざわざDAWのために用意されている気がするので、Compositeモードを使うことにしました。

インストールと設定

さて、インストールは非常に単純で、設定する項目は全くありません。32/64版同梱です。リブートを忘れないようにしましょう。

まずはWindowsの設定から。
出力にVoicemeeterを使うよう、きちんと設定します。”VoiceMeeter Input”をデフォルトの再生デバイスに設定します。 どうせWindowsアプリから録音なんてしないので、そっちはうっちゃっておきます。

windows-playback

次に、スタートメニューから、Voicemeeterのメイン画面を出します。最終的にこのように設定します。

main-page-composite

ASIOデバイスと接続

まずは出力の方にある”A1″をクリックして、メインで使用するインタフェースを設定します。ここでは、”ASIO: Yamaha Steinberg USB ASIO“にします。

main-page-composite-2-A1

なお、”A1″に設定したデバイスの解像度・サンプリング周波数に統一されるとのことです。
また、A1にASIOデバイスを設定すると、ハードウェア入力がそのデバイスからの入力に自動的に設定されます。

インサート用仮想入出力の設定

システムのオプションで、Compositeモードにどのハードウェア入力を割り当てるか、設定します。

system-settings-composite

ASIOの入力をマッピングする上部の青枠の中は、いじる必要はありません。デフォルトでこうなっているはずなので、一応確認。
UR-44の場合、#1〜#4までがフロントのMic兼Hi-Z/Lineのモノ入力で、#5〜#6がリアのLine Inにあたります。
ここでは、モノ入力の#1と#2をIN1のLとRに、#3と#4をIN2のLとRに割り当て、Line In(#5と#6)をIN3に割り当てています。

肝心なのは、下部の黄枠の中でして、Compositeモードにハードウェア入力をどう割り当てるか、設定します。

ここでは、左から順にIN#1のLeft, IN#1のRight、IN#2のL, IN#2のRを割り当てます。ここまでがモノ入力です。
次に、IN#3のLeft, IN#3のRightを割り当てます。これは、Line Inのステレオチャンネルになります。

また、PRE/POSTが選べますが、プリフェーダーに設定しておく方が無難だと思いますので、そのように。”PRE”とか”POST”の文字の上をクリックすると、設定が変わります。

各チャンネルの設定

ハードウェア入力は、フェーダーを全部下げ、どこのバスにも出さないようにします。ループバックをするならUR-44側でエフェクトを使うでしょうし、DAW側のエフェクトを含めてモニタしたいのなら、DAWでモニタリング指定する方がいいでしょうし。VoiceMeeterのループバックを聞く必要はないと思います。

DAWへ行くバスはB2(Virtual Input Aux)を使うことにします。ここで、Compositeを指定するのがキモです。

Windowsの音声やDAWからの返りは、バスA1にのみ出し、B系統へは出さないようにします。これで、意図しないフィードバックは起きないはず。

なお、それぞれのチャンネルの名称は、右クリックすることで変えられます。わかりやすいものにしておくと便利です。

main-page-composite-33

フェーダーやパンなどをダブルクリックすると、デフォルトの値に戻すことができます。

こうして作った設定は、ファイルに保存しておくことができます。Undo代わりにもなりますから、うまく設定ができた時点で保存しておくのがおすすめ。

Cubaseの設定

Cubase 8 Proをメインに使うDAWとします。録音はここでのみ行います。先ほど、メインのDAWには仮想バスB2を使うと決めたので、B2に該当する”Voicemeeter AUX Virtual ASIO“を指定します。

まず、デバイス設定のダイアログから、使用するASIOドライバーを選びます。

cubase-device-composite

次に、デバイスの詳細を設定します。ここでは、使うチャンネルだけを選び、さらにわかりやすい名前を付けてみました。
モノ4ch + Line In ステレオ 1chなので、#1〜#4と、Line In L/Rとしました。
出力の方は、Main Out L/Rとしました。

cubase-device-aux-virtual-composite

次に、VSTコネクションの設定を以下のように。
まずは入力側。シンセをつないだステレオLine In入力が一つに、4つのモノチャンネルを用意しました。

cubase-vst-input-composite

次は出力側。コントロールルームのMonitor 1につなぎました。
(直接出力する場合も同じような感じでしょう、多分。)

cubase-vst-output-composite

設定は以上です。

ちなみに、サブとなるCubase 7.5は、録音をすることもないし、普通にWindowsと同じ側の仮想出力(“Aux”じゃない方)へ接続すればOKなので、省略します。

他にも、VoiceMeeterには内蔵EQやコンプ、カセットプレイヤー(笑)による録音・再生、MIDIによる制御など、様々な機能があるのですが、とりあえずマルチASIOクライアントには不要なのでざっくりと省略。

余談:Insertを使う場合のポート

Insertを使ってもマルチチャンネルにできるというのはお話ししましたが、ポートの割り当てがちょっとわかりにくいかもしれません。

用意された22chのうち、実際に使うのは、DAWへの入力としてモノ4chとステレオ1ch、出力としてステレオ1chだけになります。
入力の方は、このような割り当てになります。

IN#1 – Stereo #1またはMono #1 (left)/ #2 (right)
IN#2 – Stereo #2またはMono #3 (left) / #4 (right)
IN#3 – Sterero #3

IN#5 – 仮想バス経由の入力 (今回は使いません)

出力の方は、こうなります。

IN#5 – 出力(Stereoからサラウンド7.1まで)

それから、VoiceMeeterのシステム設定で、Insertを使うチャンネルの設定をしておく必要があります。PATCH INSERTで、該当するポートをクリックして以下のようにしておきます。

system-settings

余談: Windowsのシステムサウンド

DAWを使っているときに、Windowsのシステムサウンドが響くとドキっとしますよね?w

というわけで、コンパネから”No Sound”にしておくと安心。

windows-no-sounds

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