DAWとかVSTとか

iZotopeから新しく出たNeutronというプラグインが巷で話題になっています。各トラックにさして使う、とされている総合エフェクタです。
同社のOzoneよりはAlloyに近い、どちらかというとチャンネルストリップのようなもので、ダイナミックEQ付きのEQセクション、マルチバンドコンプセクション、エキサイター、トランジェントシェイパーで構成されています。さらにOutputの部分には、Neutrino相当の機能と、リミッターが入っています。
Neutron.jpg

今までにあちこちでさんざん語られているので、詳細についてはもう省略してしまいますが、中でも特筆すべきはこの2つの機能かと。

  • トラックアシスタント
  • マスキングメーター

トラックアシスタント

多分一番の売りはここでしょう。トラックのサウンドを解析して、サウンドに応じた設定を作ってくれます。いわば、そのトラックにカスタマイズされたプリセットとでも呼べるでしょうか。

解析では、まずソースのタイプを求めているように見えます。数秒かかりますが、なかなか正確に検出しているようです。ギターとかドラムとかベースとかボーカルとか。その他は一からげでClearというタイプになります。何というか、汎用の設定ということですかね。ちなみに、ピアノやキーボードはClearと検出されます。

タイプが決まった後は、それぞれのテンプレートがあって、解析結果はそのパラメータに作用しているように思います。例えば、EQならタイプごとにポイントの数と大体の場所が決まっていて、解析結果から周波数やゲインの微調整を行う、といった具合に。

ですので、タイプの検出を間違えてしまうと、ちょっとピントはずれな設定になってしまうことがあるようです。

そのため、音源のタイプの解析には独自の技術がかなり投入されているようです。個人的には、ここに最もプログラミングの力が注がれているのではないかと想像しています。

というわけで、全くのゼロから設定が作られるわけではなく、例えばギターならいつも似たようなEQカーブの、パラメータ違いの設定をみることになります。
楽器のタイプごとの設定テンプレートで予め味を出しておく、という現実的な解、と見受けられます。

本当の意味でトラックに合わせた設定というわけではないですね。あくまでもiZotopeが考える、このタイプにはこのサウンド、という設定。

で、ターゲットになっているサウンドが、ハイ上がりで中域はダイナミックEQであばれを押さえ、ローは締める、エキサイターも(各トラックに!)かけて目立つというかキャラが立った感じ、の一辺倒のように思います。多少音量も上がるようで、ぱっと見「音が良くなった」と感じる要素満載。確かにある種の音楽にはそれでベストなのかもしれませんが、そうでないことも多いですよね。そこらへんがまだ限界なのかな。

それと、コンプは結構がっつりかかります。曲調によっては合いませんが、解析時の設定を弱めに変えてみたり、パラレルコンプなのでソースの割合を増やしたり、いっそのことオフにしてコンプは他に任せたり、後でいくらでもいじれます。

残念ながら、人工知能で自動で解析・サウンド設定ができて全く知識要らず、とはならないと思います。トラックアシスタントはあくまでもたたき台として、そこからTweakするという使い方をするなら、今までにない便利なツールだということが出来ます。

マスキングメーター

これは文句なしに便利。二つのトラックを同時に見ながら、どの帯域がぶつかっているのか一目で分かり、その対処がすぐできます。

これだけのために買うのもアリかもしれません。セール価格だったら。

重い

このプラグインは、正直重いです。本当に各トラックにさすチャンネルストリップと売っていいの?というぐらい重い。

そこそこのサイズのプロジェクトだったら、全部のトラックにさすのは事実上無理でしょう。

というわけで、そもそも全トラックにかけられないという時点で、これだけ買えばミックスの心配はもういらない、とは残念ながらなりません。

どちらかというと、無料で配布されている負荷のかなり軽いNeutrinoをさしまくったほうが、微妙な変化ではありますが、良い結果が得やすいかもしれません。

まとめというか雑感

2016/10/31までのイントロセールで、iZotopeの有料製品を持っていれば、クロスグレードが最安値£61.62 = $75.50 = ¥7,825 ぐらいで 手に入ります。Time+Spaceです。ポンドが安くなってますから。
ちょっと前にBreakTweaker $300 -> $50のセールをやっていたし、結構この手が使える人は多いのではないでしょうか。

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Advancedになると個別のエフェクタが使えるわけですが、それが値段の差の分の価値があるかどうかは…。どうでしょう。正直微妙だと思います。解析結果のうち、例えばEQ設定だけコピーして個別プラグインにペーストできれば、負荷の軽減という意味があったかもしれませんが、それも出来ないみたいですし。
でもセール価格でならそんなに違わないので、上位版を最初から入手しておくのもいいのかも。ちなみに、Time+Space£90.83 = $110.70 = ¥11,535 です。

ついでに、stdからadvへのアップグレードは£61.62です。セールは関係なく通常価格です。

10日間制約なしでデモできるので、一度使ってみると面白いと思います。

 

iZotope製品では今までチャンネルストリップとしてAlloyがあったわけですが、どうにもNeutronはその後継というかリプレースに見えてしまうんですね。それがもし本当なら、Alloyのユーザにとってはあまり嬉しくないかもしれません。バージョンアップではなく、ディスコンでクロスグレード扱いですから。
正式にアナウンスは目にしていませんが、上位バンドルからAlloyが消え、Neutronが入ったことを考えるとそれもあながち邪推に見えなかったりします。

iZotopeは好きなベンダーの一つです。Neutronが指し示した方向性は非常に興味をかきたてられるものです。これからも期待していますよ、ほんと。

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